子どもたちを妨げてはならない            牧師 中田義直

イエス様に祝福していただきたいと願って、子どもたちをつれてきた親たちがいました。ところが、弟子たちはそれを妨げました。この様子を見たイエス様は憤って、「子どもたちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」とおっしゃいました。
イエス様の周りにはいつも多くの人々が集まっていました。救いを求める人、癒しを求める人、話を聞きに来た人たちもいました。その一方、イエス様を試みたり、やり込めたりしようと悪意を持って近づいてくる人もいました。忙しく、疲れているにちがいないイエス様を子どものことでわずらわせまいという気持ちがあったのでしょう。弟子たちは当時の常識の中で物事を考え、疑うことなく、善意をもって子どもたちを妨げました。
当時のユダヤでは宗教的行事に参加するのは、成人の男たちでした。女や子どもは取るに足らないものとみなされていました。そして、重い病気にかかった人やハンディを負った人も神殿の中に入ることができなかったのです。あたりまえと思われていた常識の中に差別がありました。
「妨げてはならない」というイエス様の言葉は、大人も子どもも、男も女も、病やハンディなどによって、人を分け隔てることをせず、等しく愛を注いでくださる神様の御心を示しておられるのです。