仕える姿勢をもって                 牧師 中田義直

アドベントの最初の一週間、バプテスト教会ではこの一週間を世界伝道を覚え、捧げものをする「世界祈祷週間」としています。
世界祈祷週間がアドベントに行われるのは、「私たちに神様から与えられたイエス・キリストという最大のプレゼントへの感謝の応答として捧げましょう」という宣教師ロティー・ムーンの呼びかけによって始まったからです。この呼びかけに応えた教会に集う女性たちは、世界伝道を支えるために「女性連合」を結成し、組織的にこの働きを担ってきました。日本でも、日本バプテスト女性連合がこの目的をもって設立されました。
ところで、ロティ-・ムーンが中国の宣教師となった背景には、当時のアメリカでは(そして、現在でも)女性が牧師になることを認めないという性差別がありました。牧師になることが認められない中、直接献身の思いを与えられていたロティーは宣教師として福音伝道を担うという決断をしたのです。ロティー・ムーンの素晴らしい働きを思う時に、私たちは教会の中にある「差別」から目をそむけてはならないでしょう。
ロティーは、貧しかった当時の中国で現地の人々と同じ水準で生活をしたと伝えられています。それは、進んだ文明を背景として、上から下にという姿勢で福音を伝えることを、自ら戒めていたように思えるのです。
神の座を降りて、世にきてくださったイエス様に倣い、私たちも仕える姿勢を大切にしつつ福音伝道を担ってまいりましょう。