闇に輝く希望の光　　　　　　　　　　　　　　　　　　牧師　中田義直
イエス・キリストの誕生を待ち望む、待降節（アドベント）を迎えまし
た。すでに町の中にはクリスマスの飾りやイベントがあふれています。こ
の季節になると、クリスマスは日本の重要な年中行事になっているとあら
ためて思います。多くの人にとって楽しいクリスマス。しかし、クリスマ
スイヴの12月24日は一人で過ごす人や仕事で家に帰ることのできない人
にとって、心が暗くなる日だと言われています。町にあふれるクリスマス
の催し物の多くは、ファミリー層や恋人たちをターゲットにしています。
一人で過ごす人を忘れてしまっているかのようです。
ところで、福音書記者ルカは、キリスト誕生の知らせが、野宿しながら
羊の番をする羊飼いたちに届けられたと記しています。当時の羊飼いたち
の多くは、家族のだんらんからはじき出された人たちでした。そのような
人たちに、真っ先に、神様は天使たちをお遣わしになったのです。
町の中が楽しげであればあるほど、孤独の闇が深くなる。現代の日本社
会のクリスマスには、そのような影の部分があることを私たちは忘れてな
らないでしょう。なぜなら、孤独な人、寂しさや悲しさで心が押しつぶさ
れそうになっている人のもとにこそ、イエス様は来られたのですから。
祈りつつ、アドベントを過ごしましょう。そして、闇に輝く希望の光、
イエス・キリストが世に来られたことを、伝えてまいりましょう。