「聖書」の言葉を信じて 牧師 中田義直
私たち人間は、神様によって作られた被造物です。聖書の最初に置かれている「創世記」には、神様の創造の業が記されています。そこでは、この世界は神様の「言葉」によって作られたことが記されています。これはこの世界は偶然生まれたのではなく神様の意思によって作られた、というのです。ですから、創造論を信じるということは、自分自身を神様の作品だと信じることであり、隣人もまた神様の作品だと信じることなのです。
今、世界に目を向けるとき、様々な分断があらわになってきています。人種や民族による違い、先に移民していた人たちと後から移り住もうとしている人たちとの対立があらわになっています。また、経済的な格差なども分断を生じさせています。そして、このような分断や対立は、創造論に反するのではないでしょうか。なぜなら、日本で起きているヘイトスピーチなどに表れているように、分断や対立は他者の人格を否定することにつながるからです。すべての人は人種も民族もなく神様の作品です。すべての人は、神様から命の息を吹き入れられて生きる者となりました。だから決してその存在を否定してはならない大切な神様の作品なのです。
21世紀は衝撃的なテロによって幕を開けました。それから、15年が過ぎ、世界の情勢は大きく変化しています。このような時だからこそ、聖書の言葉に信頼し、そこで語られているメッセージをしっかりと受け止めていくことを大切にしたいと思うのです。