信仰者だからこそ 牧師 中田義直
8月終ろうとしています。今年の夏はとりわけ厳しい暑さにみまわれ、地球温暖化や環境の変化を強く感じました。
また、私にとってこの夏、衝撃的だったのはオウム真理教が23年前に起こした地下鉄サリン事件などにかかわった死刑囚の刑が、立て続けに執行されたことでした。死刑制度の是非論を超えて、このような形での死刑執行は、国内外で驚きをもって受け止められました。
オウム真理教の事件は、日本の宗教界に大きな影響を与えました。当時私は牧師になって10年ほどでしたが、世の中の宗教に対する警戒感が強まったことをいろいろな場面で実感しました。夏休みにミッションスクールの子どもたちが礼拝に出席することが恒例でしたが、その頃からしばらくの間でしたが、親の同伴が増えました。時には、子どもに声をかけようとした教会のメンバーの間に親御さんが割って入ることもありました。ミッションスクールの中にも、入学希望者が減るのでは、という危機感があったそうです。その一方、人間にとって宗教とは何か、ということを若い頃から考えるための、宗教教育の大切さも語られました。
「宗教とは何か」そして、「信仰をもって生きるということはどういうことなのか」という問いに対して、私たちクリスチャンは信仰者だからこそ、しっかりと考えることの大切さをあらためて思う夏でした。