七年を経た「今」を生きる 牧師 中田義直
東日本大震災から7年が経ちました。人間の考えた想定を超える未曽有の天災であるとともに、未だ終息のめどの立たない福島第一原発は人災ともいえるでしょう。この大震災を通して、私たちは自然の力の大きさに圧倒されるとともに、人間の力の限界を強く感じさせられたのではないでしょうか。その一方で、私たちは互いに助け合うことの大切さを改めて確認し「絆」という言葉が多くの人の心をとらえました。
昨年の2月に宮城県で全国牧師会が行われ、東北の教会の方々の体験を伺い、また津波に襲われた石巻を訪問しました。復興が進み、日常生活を取り戻しているところもあれば、長年住み慣れた海辺の地を離れて、小高い丘の上に造られた新しい住宅で生活を始めている地域もありました。
私は震災直後に津波による被害のあった千葉県の飯岡を訪ねました。短い時間でしたが町の方と話をすることもできました。そして、翌年には飯岡で行われた諸宗教の方々による合同慰霊祭に参加しました。その慰霊祭では神道、仏教、キリスト教等の代表者が津波で亡くなった方々への鎮魂の祈りと、津波の爪痕の残る街で暮らす人々のための祈りを捧げました。
私たちは、希望をもって前を向くとともに、被災された方々のことを忘れることなく歩んでいきたいと思います。そして、人間の限界を認め、創造主なる神様への謙虚な思いを大切に歩んでいきたいと願うのです。